野菜の種類は限られますが、タネ蒔きや苗の植え付けには、年内最後の季節です。
にんにくなど、9月下旬から10月の雨の多い季節に植えるより、一ヶ月遅らせて11月上旬に植えた方がいいというものもあります。
よほど暖かい日だまりの場所でもないと、菜っぱや法蓮草など遅蒔きしたものは、
根が深く張る前に霜で持ち上げられ、浮かされて枯れてしまうので、タフベルなどで霜除けをしてやりましょう。(小さいうちは直がけでいいです)
(ただ、収穫間近で順調に育っている野菜には、必要無いです。
霜にあたり、寒さの中を過ごしたほうが、冬の菜類は味が乗って美味しくなります)
11月が蒔き芯のサヤエンドウ作りのコツは、本格的な寒さが来るまでの年内に、茎葉を伸ばし過ぎないことです。
根だけ張らせ、高さ5cm 以内の小さい芽なら、なんなく冬越しできますが、年内に15cm以上に伸ばしてしまったものは、
必ず2月頃の厳寒期に枯れてしまいます。2,3月に蒔き直すこともできますが、春蒔きのものは寒さでいじめられないぶん軟弱に育ち、
側枝も出ないので花数が少なく収穫量も少なく成ります。なるべく11月中に蒔きましょう。
(飯能地方では、昔から「11月になったら」と言っていたのですが、最近の暖冬傾向で、11月に入っても、
初旬では伸び過ぎるきらいが出てきました。最近は「11月10日前後がいいでしょう。あとは畑の場所が平地の日当たりの良い所だったら遅めに、
山間の早く陽のかげるような所だったら、早めに」と、言っております)
もし法蓮草を蒔かれるのでしたら、今月からは西洋系のものが安全です。東洋系の品種だったら、2月中には収穫を終えるようにしましょう。
立春を過ぎて日が長くなって来たのを感じると、トウが立ってきて小さくても花を咲かせてしまいます。
ミンスターランドなど西洋系の品種の場合、北欧の白夜地帯のような高緯度でできた品種なので、
長日感応性が鈍く、春になってからも育ち、収穫できます。(味のほうは少しアクがありますが、現在八百屋やスーパーで売っているのは
ほとんど西洋系の交配種ですから、もうそんなに気にならない人も多いかも知れません)
【種まき・固定(純系)種】
西洋系法蓮草(ミンスターランド)、東洋系法蓮草(日本・豊葉等、霜除け下で三月までに収穫し終えないとトウ立ちしてしまう)、
中生キャベツ(箱蒔きし軒下で育苗。三月に定植)、二年子大根。
以下はすべてトンネル栽培のみ可能。覆下小カブ、小松菜、チンゲンサイ、ビタミン菜、黄がらし菜、京水菜、高菜、春菊。
【種まき・一代交配種】
西洋系法蓮草(各種)、春キャベツ(早生系。箱蒔きし軒下で育苗。三月定植)。以下は霜除け下で。千宝菜、友好菜、べんり菜など。
【苗の植え付け】
9月下旬〜10月蒔きのキャベツ、のらぼう、玉葱。
【収穫】
結球白菜。夜間温度が15度以下の低温になり、2週間ほど経過すると、40枚以上の葉数を持ち、充実した
株の結球白菜の芯に翌春の花芽が形成されるようになり、この花芽を守るため、株が巻き始めます。いよいよ冬野菜の王様・結球白菜の収穫期です。
秋大根も順調に育っていることでしょう。伝統品種(固定種)のみの早生大根や、練馬、西町大根などは、収穫適期が遅れるとス入りしやすいので、
たまに引き抜いて調理し、適期を逃さないように気をつけましょう。
(一代交配種の大根や、伝統品種でも晩生系煮大根の大蔵や新三浦などは、ス入りの心配が比較的少ないです)
【病虫害】
低温と共に病虫害の発生も少なくなってきます。
この時期いちばん問題なのが、ヨトウムシやコナガなどの蛾の幼虫類を、結球白菜の中に巻き込んでしまうことでしょう。
いったん結球した葉の中の虫を退治する方法はありませんから、注意が必要です。
(収穫間際の野菜に農薬をかけたくないのですが、巻き始める前に残効性の少ない DDVP などで処理するしかないようです)
[ひとりごと]11月半ばに11月のページを作ってちゃあしょうがない。\(_ _;)
'98年に続いて、'99年も、上旬は玉葱苗の品不足で、予約していただいたお客様へのお断りでアタフタした。
苗床から抜いて一週間も置いとけない苗だから、ヤマをかけて入れては残ってしまうし、不作は本当に困る。
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できるだけ調べてお答えし、以後の製作ページの内容に活かして行きたいと思っています。(1999.11.13)
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