Tanet/野口種苗研究所
タイムカプセルの20年前のタネ顛末記

2003年春に行った下記の企画のご報告です。


20年前のタネ1
==========※以下は3/26日付け文章の引用です==========
 ところで、今日、20年前タイムカプセルに入れたタネが、無事帰って来ました。
全部で200種類以上の野菜、草花、樹木の小袋タネと、数缶の野菜タネの缶詰です。
  タイムカプセルは、1983年5月に埋めた耐蝕アルミ製1立米という巨大なもので、
中の空気を抜き、フロンガス(※窒素ガスの間違い)を充填しておりました。  

 このタネをどうするか考えた挙句、今日以後ご注文いただいた方、先着200名様
に、1袋ずつ差し上げることにしました。                  

 このページを今ご覧いただいている、ネット上でご注文のお客様を優先しますが、
ご希望があれば、FAX、郵便、ご来店のお客様にも差し上げます。       
 すべてのタネが生きていてくれて、うまく発芽してくれるといいのですが、保証は
まったくできせん。(一応2種類だけ発芽試験にかけました。結果は後程報告します)

 品種がみんな違いますので、個別のご希望にはとても応えられません。適宜みつく
ろってお送りさせていただきますことも、あらかじめご了承ください。     
(どんな品種が届き、生えたか生えなかったかだけでも教えていただけると、貴重な
データに なるかな? とも思いますが、あくまでお遊びです。気楽に楽しんでいただ
ければ幸いです)                              
20年前のタネ2

==========※以下は、4月3日付け文章の引用です。==========
20年前のタイムカプセルから取り出した種の発芽試験の結果が、思わしくありません。/(-"-)\
紙袋に裸で入っていたタネ2種類をとりあえず試験したのですが、まったく発芽しませんでした。
発芽比較

酸化防止目的で空気を抜き、窒素ガスを充填したので、呼吸ができず死んでしまったようなのです。
種も生命体ですから、ほんのわずかずつですが呼吸しています。どうやら、宇宙空間のような過酷な
環境になっていたようです。                                
今日、缶詰めに入っていた種と、アルミの防湿袋に二重に入っている種の発芽試験を開始しました。
(アルミ袋や缶の中に、ほんのわずかでも、種の生命を維持できる空気が残っていたことを期待して)
もしこれらも生えず窒息死しているようでしたら、下記の「20年前のタネ進呈」企画は中止します。
ご注文のおまけとしてお付けしている種も、今は、アルミ製二重袋に入ったものだけにしました。 
これらが生き延びていてくれたらいいのですが…。そして、死んでしまった種たちに…合掌。南無…


============以下は4月12日付け記事の引用です============
タイムカプセルの種子ですが、缶詰のまま入れておいたタネも、発芽しません。 (下写真参照)
これは、完全に全滅か…とガッカリしていたところ、昨夜、さいたま市のMさんから「生えた!」
という大変うれしいメールをいただきました。                       
サカタの草花タネで、アルミの二重袋に入ったミニトマト「エローペヤ」が、20粒中1粒ですが、
生えたそうです。                                   
もしかすると、缶詰にぎっしり入ったタネが20年生き続けるには、内包された空気の量が足りな
かったけれど、草花袋のタネは、あまりに微量なため、小さなアルミ袋の空気量でも、なんとか
呼吸ができ、20年生きることができたのかも知れません。                    
同じ袋形式のパンジーを、上記4点といっしょに発芽試験しているのですが、こちらは、まだや
っと昨年のタネが少し芽ぐんできたばかりで、私どもの検証は済んでおりません。(下の写真) 
(※なおこの20年前のパンジーのタネは、4月15日現在もまだ芽生えていません)

もしお手元に、サカタの元詰め草花種子が届いている方がいらっしゃいましたら、ぜひまいてみて
結果をお知らせいただけたらありがたいのですが…。                    
ただ、この袋形式のタネは、本日の進呈発送分ですべて無くなりました。他のタネについては、発
芽確認ができませんでしたので、既に発送を取り止めております。              

[2003.04.15]
4月12日付けで書いた、20年前のタネが生えたMさんから続報メールが届きました。
====================以下引用します。====================
エローペヤー の種がひとつだけ             
出ました とこの前はご報告したのですが...      

今日見たら どんどん出ています!            
10粒は軽く。  まさに堰を切ったように。        

育苗トレーに こちらの並びはワーン こちらはエローペヤー
とハッキリ分けて蒔いて 名札も入れて          
間違っては いない はず なのですが...       

逆にワーンの(と思われる)方がマイペースに       
ゆっくり出てきています。                

これがエローペヤーなのだとしたら            
よほど発芽チャンスを待っていたのかなーと        
感心してしまうぐらい勢いがちがいます。         
  本当にお見せしたいぐらい。               

名札が逆でも 両方出ていますし、分けて蒔いた事は    
たしかなので、どちらにしても発芽していますよ!     
============Mさんのメール(抜粋)は以上です。============
ただ一種類でも「生えた」というご連絡に本当にホッとしました。心より御礼申し上げます。

[最後に…2003.4.20記]
20年前の「パンジー クリスタルホワイト」は、ついに生えませんでした。(涙)

通常でも寿命が短かめのタネですから、20年生き続けられなかったのでしょう。
寿命の長いトマトが生きていてくれたのだけが救いだった、今回の企画でした。
それと、アルミ防湿袋の効果を確認できた意味も、大きかったように思います。
サカタの草花タネも今は絵袋内の防湿袋が「透明ハイバリアーフィルム」という
新素材のものに変わってますが、昔のアルミ袋に復活したほうが、密閉性の点で
良いのではないか?と、思いました。(下写真)               

今年扱い始めたフランス/ビルモラン社のアルミ製絵袋の発芽試験も好成績です。
うちの販売種子も、アルミ袋に二重にしようかな?でも、高いから価格アップに
繋がってしまうだろうなあ。十年以上保存する人なんてまずいないだろうし…。

[最後の最後に…2003.08.29]
さいたま市のMさんからのメールを再び引用できる幸せをかみしめながら終わります。
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果実が成ったら知らせますとお約束しましたので   
そのご報告でメールしました。           

成りましたよ!!! どんよりした今年の夏にもめげず
病気にもならず 洋なし型の小さな実がたくさん!  

なかなか色づいてくれませんが           
たった1つだけ、いい黄色になってくれたので    
早速味見をしましたら... ウマイ!       

(以上8/10付)                   

(8/17当方の希望に応じて写真を送ってくださいました)

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なるほど。確かにサカタの草花種子シリーズの「エローペヤ」です。
その後、カタログから消えていますから、20年前の種に間違いない。
「よくぞ生き残ってくれた」と、今も感動さめやりませぬ。    
Mさん、お手数おかけいたしました。本当にありがとうございます。

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