Kurobe Watermelon / ウリ科 Citrullus lanatus
明治16年、黒部川左岸の旧下新川荻生村の篤農家結城半助氏が農商務省の斡旋で、米国ヘンダーソン商会から東京三田育種場を通じてラトルスネーク(Georgia Rattlesnake)種の種子を購入・試作したのが元。研究、改良を進め「荻生西瓜」と銘打って富山市場に出荷し好評を博した。富山の風土に順応し、同30年頃には入善町で栽培され、40年代以後黒部川一帯に広がった。
ラグビーボール型の巨大西瓜で、重さ10キロ以上になる。赤肉で甘味強く(糖度12度位)日持性が抜群に優れる。明治42年、大正天皇が皇太子の時に食べて賞賛し、以後「黒部西瓜」と名付け毎年皇室に献上。
最も有名ブランドである入善町の「まくら西瓜」(入善ジャンボ西瓜=地域団体商標出願中)は、特別栽培の贈答用品として名高い。デパ地下などでは一個六、七千円の値がつくという。
3〜4月(温床)、5月(露地)
石川県
2023年9月
80%以上
なし
なし
盛夏~9月。着果(受粉)後晴天50日以上で完熟。
温床蒔きで3月〜、直播きの場合5月。
25〜30℃
直播きは地温を高めウリバエを防ぐためポリキャップを。
1~2cm。嫌光性種子なので、確実に覆土する。
25〜35℃
糖度が高く、より大きな(15~25kg以上)西瓜を育てるため、入善町では一株一果どりの自根栽培を厳守している。西瓜は自根では10年近く連作できないため、毎年作付け地を変えている。米俵の蓋(さん俵)を使って輸送に耐えるようにした梱包は独自で、ブランドイメージを高めている。
ウリ科野菜は他家受粉性が強いので、交雑に注意。(早朝、開花して虫が交配する前に同系統の雄花を採って受粉させる)熟したら良果を追熟させ、食べて出した種を天日乾燥する。
長命種子の代表である。(5年以上。時に10年)
ない
乾燥した冷暗所で保存する。