Farro, Hulled Wheat / イネ科 Triticum spp.
イタリアでファッロと呼ばれる野生型に近い小麦。古くから続くコムギの原種で、現在は北部山間部で僅かに栽培されている。ファッロには一粒系monococcum種(Einkorn)、二粒系dicoccum種(Emmer)、普通系spelta種(Spelt)のシュルツ博士が形態的に分類した3系統が含まれる。本種は芒が長いエンマー(エンメル)小麦の系統。日本では「古代小麦」全般を指してスペルトと呼ぶことが多いが、正確な名称ではない。
め痩せ地でもよく育ち、赤さび病等の病害に強い。1つの殻に2粒入る。分厚い殻に覆われた粒は、小麦のように脱穀時に皮が外れないので脱ぷ作業が必要になる。また、穂は折れて落ちやすく揉んでもタネが裸にならない。草丈140〜150cm位と高く、登熟期は倒伏しやすい。本種は農薬、肥料を使用せずに採種した種子。
イタリアではブルグア(半ゆでにして砕いて乾燥させたもの)に加工し、スープに混ぜて利用したり、粉に挽いて小麦粉と混ぜてパンにする。脱穀に手間がかかるため、近年は家畜の飼料として栽培されることが多いという。
10月中旬〜12月初旬
埼玉県
2024年9月
60%以上 *採種環境条件が厳しかったため、発芽率が低くなっております。予めご了承の程、お願い申し上げます。
なし
なし
7月。(出穂から45日後、種まきから約8ヶ月後が収穫時期)
10月中旬〜12月初旬
12〜25℃(最低4℃)
普通畝幅60〜90cmに条播。点播、ばら播きも行われる。
3〜5cm。覆土後鎮圧して土と種を密着させる。
20℃以下(冷涼気候)
播種量は条播の場合、10a当り4〜5kg。(本種小袋1DLで5坪分程度)肥沃で水はけのよい重粘性の中質土壌を最適とするが肥料分が多すぎると倒伏する。根ばりをよくし霜柱の害を防ぐため年内1回、年明け2月までに1回、麦踏みをする。コムギに比べ晩生で出穂が遅く、刈り取り時期が梅雨にかかるので、栽培はやや難しい。固い殻を取り除くための脱ぷ作業は手作業では困難だが、インペラ式籾摺り機で除去できる。
自家受粉性だが他品種とは5m位離す。4℃以下の気温に8週間程度当たらないと開花・結実しない。刈りとり後脱穀、よく乾燥し充実した種実を選ぶ。
5〜10年。
採種直後の高温期1〜3か月程度の間は発芽せず休眠する。
よく乾燥し、低温低湿度の場所に保管。