Narusawa-na / アブラナ科 Brassica rapa L. var.hakabura Kitam.
富士山北西山麓鳴沢村で江戸時代以前から栽培されてきたという。伝統野菜が少ない山梨県では貴重な固有種である。
山梨県鳴沢地方の漬菜。別名「ぐんないかぶ」とも呼ばれる。他の蕪菜に比べて葉が大きくて葉数が多い。光沢ある濃緑色でノコギリ状の葉はみずみずしく美味しい。根の肥大も早く方領大根に似た円錐形で根長16、7cm。抽苔が遅いので長期収穫が可能。
野沢菜より上等という浅漬や醤油漬などの漬物利用が一般的だが、標高900mの高地で冬場の気温が低く冬期の野菜が不足する鳴沢村では、葉や蕪を干して貯蔵し(根は切り干し)、おじやや味噌汁の実として利用していた。
9月上中旬
岐阜県
2024年6月
85%以上
なし
なし
通常播種後80日で草丈70~80㎝位が収穫適期とされる。
高冷地では8月中下旬。暖地では9月上中旬。
15〜20℃
畝幅60㎝、株間15㎝間隔に点播。
一般の菜類と同じく発芽まで種が隠れ水分を保持できる程度。
10〜25℃
漬物用として利用する場合は、早まきしすぎると下葉が枯れて葉がこわくなるので、遅まきが良い。大根に似た甘味ある根を利用する場合は、早まきして根の肥大を図る。本葉1枚の時と2枚の時に間引き、栽植密度を1平米当り80~100株とする。最大に成長すると、葉数100枚以上、草丈1m以上になるという。
菜の花を咲かせ、莢に実が入ったら刈り取り、莢から種子を外し乾燥する。自家不和合性なので同品種を複数株用意することと、他の和種アブラナ科(Brassica rapa )との交雑に注意。
一般菜類に準じ常温で2~3年(やや長命の部類)
種子が完熟し充分乾燥した後は、休眠期は無い。
よく乾燥し、冷蔵庫など低温低湿度の場所で夏越しする。