Obuse Round Eggplant / ナス科 Solanum melongena S.
おそらく江戸時代から明治にかけて信濃川沿いに伝播してきたものと思われる。(大井美知男・市川健夫著『地域を照らす伝統作物』より)
山国信州を代表する巾着型の丸ナス。果重は300~400グラム。表皮に浅い溝が入り、色は黒紫色だが艶が無い。果肉は緻密で硬くほのかに甘い特有の風味がある。本葉7、8枚で一番花が開花する中生種。草姿立性で草丈は中位。茎や葉には強いトゲがある。
煮物が一番で柔らかくなるが決して煮崩れしない。油味噌、天ぷら、塩漬けやカレーなどにも利用されるが、信州名物「おやき」の具にも欠かせない。果肉を丸く輪切りにした小布施丸茄子のナスあんは、まさに本物の味。
2〜4月(温床)5月(直播)
長野県
2023年11月
75%以上
なし
なし
盛夏から秋にかけて。
温床育苗は2月から。直播きの場合5月以後。
最適温25〜35℃(要変温)、発芽温度15〜40℃
日中30℃、夜間20℃の温度変化がとれるよう工夫する。
タネが隠れ発芽までの2週間、必要な湿度が保持できる程度。
昼間23〜28℃、夜間16〜20℃(最低7℃〜最高40℃)、地温18〜20℃
病害に比較的強く、栽培容易である。長野では2月下旬に播種して接木苗を養成し、5月中下旬に定植している。(露地への定植や播種は、地温が18℃以上と充分温かくなってから行う)高温乾燥期は、敷藁し灌水するなど水分維持
2、3番果など下部に着いた優良な種果を木で完熟させ、収穫後、日陰で2週間追熟し、布袋などに入れた上から木槌などでつぶして種を果肉から外し、水洗した後、1日天日乾燥する。
長命種子の代表である。(5年以上)
「なし」と書いてきたが、ナスの新種は休眠が長いので生え揃いにくいともいう。
天日乾燥後1週間陰干し。低温低湿度の場所に保管する。