Terajima(Tsuruboso Sennari) Eggplant / ナス科 Solanum melongena
江戸時代の寺島村(現・墨田区東向島付近)の産。かつては千葉、神奈川方面にかけての沿岸部の砂地帯で多く栽培された。宅地化による畑の減少とF1品種の台頭により途絶えたが、ジーンバンクに残っていたタネを元に、江戸東京・伝統野菜協会代表の大竹道茂氏の手によって復活した。京都のもぎ茄子によく似る。
茎細く小葉で開張性が強く草丈の低い早生種。果形は卵円よりやや長味を帯び、紫黒色で光沢がある。退色が早く種子もすぐ入るので、果長6〜7センチの小ナスで収穫する。
小型で熟期が早いので当時は専ら漬物用に供せられた。しまりある肉質は加熱するとトロみが出て美味しい。
2〜4月(温床)5月(直播)
茨城県
2024年10月
75%以上
なし
なし
夏から秋。熟期が早いので温暖な早生地での早熟栽培に最も向く。他品種よりも早く木が上がるので、収穫期間は短め。
温床育苗では1月下旬から。直播きの場合5月以後。
最適温25〜35℃(要変温)、発芽温度15〜40℃
発芽には日中30℃前後、夜間20℃前後の温度変化が必要。
タネが隠れ発芽までの2週間湿度が保てるように。
昼間23〜28℃、夜間16〜20℃(最低7℃〜最高40℃)、地温18〜20℃
寒害で根を傷めないよう露地への定植は地温18℃以上と充分温かくなってから行う。(直播きも同じ)好光性植物なので太陽光を葉に充分当てる。株間60cm位。ナスは成育期間が長いため有機質肥料の効果が高いので、充分深耕し堆肥などを施す。高温乾燥期には敷き藁して水分保持に努める。
ナスは自家受粉性なので交雑はほとんどしない。2、3番目に着いた充実した種果を黄褐色になるまで枝につけ、完熟果を収穫後日陰で追熟。切り開いてタネを出し水洗する。切開する前によく揉み込むとタネが出しやすい。
長命種子の代表である。(5年以上)
新種子は休眠が長いので、やや生え揃いにくい。
1日日に干し、1週間陰干し乾燥後、低温低湿度で保存。