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昨日と一昨日、津軽に行き、今一番会いたい人にお会いして来ました。
期待に違わず素晴らしい方でした。
今はまだ帰って来たばかりですので、その方、木村秋則さんとの出会いのお話の続きは、明日以後に。
[2007.1.9]
新年あけましておめでとうございます。m(_ _)m
タネ屋の業界紙『日本種苗新聞』から依頼されて書いた「年頭の辞」を転載します。
依頼字数1000字に納めたせいか、ちっとも「年頭の辞」らしくありませんが。(笑)
(仮題)「伝統野菜と地域団体商標制度」 新しい年が良い年でありますように。 さて、昨年は、地域団体商標制度が発足した年でした。 野菜や種苗を含む第31類では、まず石川県の中島菜が10月27日付で登録され、今後「中島菜」という名は、出願した能登わかばJA以外は使用できなくなりました。当店ではこの種子をまだ扱っていなかったのですが、取扱われている種苗会社では、名称変更を含め、今後どのような対応をとられるのか、興味深いところです。(以前の商標法で登録商標を得た「女池=めいけ=菜」の場合、取得した地域JAからの申し入れで、新潟の種苗会社は、やむなく「新潟小松菜」と改名して販売しています) 続く査定(認定)からもまだ(12月7日現在)外れているものの、全農や京都市JAは、伏見甘長とうがらし、万願寺とうがらし、京みず菜、壬生菜、聖護院かぶ、聖護院だいこん、九条ねぎ、賀茂なす、鹿ヶ谷かぼちゃ、丹波大納言、丹波黒大豆などを申請中です。(用字は申請名による) 「全国各地で同一名称で栽培、生産されている商品は普通名称と考えられる」ので、「地域名プラス商品名」でも普通名称は査定しないということですが、例として挙げているのが「さつまいも」と「いよかん」だけでは、やがて京都発祥の野菜はみな商標登録されてしまうのではないかという不安をぬぐいきれません。もし京野菜が認められたら、天王寺かぶや野沢菜も後に続くことは間違いないでしょう。もしかすると、小松菜まで商標取得に動く団体があるかもしれません。 小松菜は笑い話ですが、2007年は、種苗業界として、品種名というものを本質に立ち返って考えてみる必要がある年だと思います。 数百年の歴史を持つ伝統野菜の品種名が、特定地域の商品名としてJAなどに独占されてしまうと、品種という概念が崩壊してしまいます。登録商標「三浦大根」の中身は「F1○○大根」で、本当の三浦大根の種子は、「三浦大根」と表示できないようになったら、それこそ一大事です。 日本種苗協会が、「種子に表示する野菜の品種名は、商標法の役務(商品分類)にはなじまない」と、商標法自体から外すよう運動していただけないでしょうか。 |
以下は、メール送稿後、日本種苗新聞社の志村専務様よりいただいた返信メールです。
野口種苗研究所 野口勲様 平素よりお世話になっております。 早速読ませていただきました。素晴らしい原稿をいただき誠にありがとう御座います。 品種名に関して、大変な動きがあることを私も知らずに恥ずかしい思いです。 「小松菜」などの名称が変われば、一般消費者まで混乱し、野菜全体を考えても良く ないことではないかと思います。また伝統野菜の品種の保存に関しても、その地域の 人だけが継承でき、その地域の人が「採種を止めた」なれば種の保存ができなくなっ てしまいます。何とかこの流れは食い止めたいものです。 お正月以外でも寄稿を受け付けておりますのでお気づきのことがございましたら、是非お送り下さるよう御願い致します。 -- 株式会社 日本種苗新聞 志村篤 TEL:055-235-7329 FAX:055-237-5751 E-Mail: shimura@seed-news.co.jp URL: http://www.seed-news.co.jp 〒400-0047 山梨県甲府市徳行4丁目14番22号 |